2020/12/30 21:18
シリアで初めてスーフィー/マウラウィーヤの回旋舞踏を観た時、感じたこと
「この人は天の高みに舞い上がろうとしている。」
白いドレスを纏い、ベージュの細長い帽子を被った男性が、天を見上げて陶酔状態で廻り続ける。もう倒れるのではないか、もう十分ではないか、と思ってもまだ廻り続ける。
そして、そのうちに自分も、輪を描いて廻るスカートに吸い込まれるように、この不思議な舞踏に魅入られて行く。
現実が、しばらくの間、姿を消す。私は渦の中にいるようだ。
回旋が終わり、スカートが最後の弾みを止め下に垂れた瞬間、現実が戻ってくる。
観客がようやく、ざわめき始める。
白いドレスの人たちは、いなくなった。
舞踏の会場を去りながら、どこかに引き込まれそうになっていた自分が、まだいることを感じていた。
舞踏の会場を去りながら、どこかに引き込まれそうになっていた自分が、まだいることを感じていた。
中世の残るアレッポの旧市街には、私たちをなかなか陶酔から醒めさせてくれない。